はじめに
Windowsでソフトウェアをインストールしたり、アップデートしたりするのにひとつひとつ公式サイトに行ってダウンロードして…と、意外と面倒なものです。また、PCを入れ替えたときはもっと地獄…。そんな悩みを解決してくれるのが、コマンドラインで簡単にソフトウェア管理ができるツール「Chocolatey(チョコレティ、略して choco)」です。最近は、winget も頑張っているのですが、ローカルレポジトリを使えなかったりなど、細かいところに手が届かないので、ひとつChocolateyも使えるようになろうというモチベーションで記事を書いています。
ヘルプ
choco --help
は、Chocolateyの基本的な使い方や、利用できるコマンドの一覧を表示してくれます。困ったときや、どんなコマンドがあったかな?と知りたくなった時に、まず開いてみましょう。
PS C:\Users\YourName> choco --help
Chocolateyコマンドの基本構成
Chocolateyのコマンドは、基本的に以下のような形で使います。
choco [やりたいこと] [対象のソフトなど] [追加の指示]
例えば、
choco install vlc
-> 「chocoさん、vlcというソフトをインストールしてください」
といった具合です。
choco
: Chocolateyを使うよ、という合図。[やりたいこと]
: これが「コマンド」です。例えばinstall
(インストールする)、search
(探す)など。[対象のソフトなど]
: コマンドの対象となるパッケージ名(ソフト名)など。[追加の指示]
: これが「オプション」や「スイッチ」です。例えば-y
(確認なしで実行)など。
主要コマンド
choco --help
の「Commands」セクションには、たくさんのコマンドがリストアップされています。ここでは、よく使う便利なコマンドを列挙しておきます。
コマンド | 説明 | よく使う例 |
---|---|---|
install |
ソフトウェア(パッケージ)をインストールします。 | choco install googlechrome |
uninstall |
インストール済みのソフトウェアをアンインストールします。 | choco uninstall 7zip |
list |
ローカルにインストール済みのソフトウェア一覧を表示します。 | choco list --localonly (または choco list -li ) |
search (または find ) |
オンラインで公開されているソフトウェアを探します。 | choco search firefox |
upgrade |
インストール済みのソフトウェアを最新バージョンにアップグレードします。 | choco upgrade vlc |
outdated |
アップグレード可能なソフトウェアの一覧を表示します。 | choco outdated |
info |
ソフトウェアの詳細情報を表示します。 | choco info notepadplusplus |
help |
choco --help と同じく、ヘルプ情報を表示します。 |
choco help |
version (-v ) |
Chocolatey自体のバージョンを表示します。 | choco -v (または choco --version ) |
オプション
コマンドの後ろにつけることで、動作を細かく制御できるのが「オプション」や「スイッチ」です。choco --help
の「Options and Switches」や「Default Options and Switches」セクションに記載されています。
- オプションは、コマンドやパッケージ名の後にスペースで区切って記述します。
- ハイフン1つ (
-
) の後に1文字の短縮形 (例:-y
) を使うか、ハイフン2つ (--
) の後にフルネーム (例:--yes
) を使います。 - 1文字のオプションは、まとめて書くこともできます。例えば、
-d
(debug),-f
(force),-v
(verbose),-y
(confirm yes) は-dfvy
のように書けます。
ここでは、特によく使うものをいくつか紹介します。
オプション | 短縮形 | 説明 |
---|---|---|
--version |
-v |
Chocolateyのバージョンを表示します。(コマンドのversion と同じ) |
--help |
-h |
各コマンドの詳細なヘルプを表示します。 (例: choco install -h ) |
--yes (または --confirm ) |
-y |
実行前の確認メッセージ(「本当に実行しますか? Y/N」など)を自動的に「Yes」にします。スクリプトなどで便利。 |
--force |
-f |
通常の動作を強制的に変更します。初心者はあまり使わない方が良いかもしれません。 挙動がおかしい時に試す程度にしましょう。 |
--debug |
-d |
デバッグ情報を表示します。問題が発生した時の調査に使います。 |
--verbose |
より詳細な情報を表示します。-d よりもさらに詳しい情報が出ます。 |
|
--limit-output |
-r |
出力を簡潔にします。スクリプトで結果を処理する際に便利です。 |
--whatif (または --noop ) |
実際には何も実行せず、何が行われるかだけを表示します。「もし実行したらどうなるか」を確認できます。 |
具体的な利用例
Google Chromeをインストールしたい。
choco install googlechrome -y
インストールされているソフトを確認したい。
choco list --localonly
VLCメディアプレーヤーが古くなってきたから更新したい。
choco upgrade vlc -y
VLCをインストールする際に、確認なしで、かつ詳細情報を表示したい。
choco install vlc -y --verbose
まとめ
使いこなせば結構便利なしくみなので、みなさんも使ってみてください。
以上
P.S. 役に立ったなと思った方はビール一杯奢ってください!